これは1月某日にU出N海さん(26)が実際に体験した話です。
それは深夜の某線最終電車に乗っていた時のこと。
終点の駅に近付くにつれ、人が疎らになっていく車内。
ずっと立っていた彼女もようやく座席に着き、惰眠を貪ろうとウトウトし始めた、その時だった。
『シャ~コシャ~コ……』
ふと彼女の耳に、あまり普段聞くことのない音が響いて来た。
『シャ~コシャ~コ…』
『シャカシャカシャカシャカ…』
一体何の音だろう。何かを擦り合わせるような音だ。
だけどこの音、確かにどこかで聞いたことがある。
彼女は必死に記憶の糸を手繰り寄せるが、答えは見つからない。
知りたい。音の正体を知りたい。
彼女は衝動を抑え切れず、辺りをキョロキョロと見渡した。
そして彼女の眼に飛び込んで来た光景……!
背中に戦慄が走る。
「か、描いてる…。こんな…こんなところで……!!」
彼女の見た光景。
それは歳が同じぐらいの男性が、スケッチブックに鉛筆を必死に走らせる姿だった。
目にも止まらぬ早さで描き上げて行くものは、なんとも正確な人体パース。
しかも彼女の経験則から察するに、それは後に萌え絵かつエロ絵になるであろう頭身バランス、ポーズだった。
その見事にアタリをとる手捌きに、彼女は恐怖さえ覚えた。
「この人……できる!」
彼女と同じ駅で降りた男性は、闇夜の中に消えたという。
彼女はこの日の愕然とした気持ちを、今でも忘れられずにいる。
後に彼女は語る。
「電車内で萌え絵描くのはナシでしょー。描いていいんだったら私だって電車内で乱あ描(ry」








